[su_box title=”ポイント” box_color=”#0044cc”]混合物は、2種類以上の物質が混ざっているものです。
純物質は、ただひとつの物質だけでできているものです。
言い換えると、混合物は複数の純物質からできています。
純物質がもつ融点や沸点、密度といった性質は、それぞれの物質で常に一定です。
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混合物・純物質
混合物とは、2種類以上の物質が混じり合っている物質のことをいいます。
一方、純物質とは、ただ1種類の物質だけでできた、純粋な物質のことをいいます。
純物質
純物質は成分が1つだけの純粋なものです。
例えば、水、食塩(塩化ナトリウム)、エタノール、鉄やアルミニウム、酸素や二酸化炭素などは純物質です。
純物質である水は、すべて水という物質だけが含まれています。純物質である食塩は、そのすべてが塩化ナトリウムという物質だけでできています。
混合物
これに対し、混合物はいろいろな物質が混ざってできています。例えば、食塩水や空気、ブロンズ(青銅)などは混合物です。
混合物は、2種類以上の純物質が含まれていると言い換えることができます。
食塩水は、純物質である水と、純物質である食塩(塩化ナトリウム)が混ざってできている混合物です。
空気は、純物質である窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素などの気体が混じり合ったものです。ですから、空気は混合物です。
芸術作品で見られるブロンズ像の材料は、ブロンズ(青銅)という合金です。ブロンズは、金属の銅やスズからできている混合物です。(このとき、銅やスズといった金属は、それぞれ単独では純物質です。)
混合物と純物質の特徴
純物質は単一の物質でできているので、その性質が正確に決まっています。純物質では、その沸点や融点、密度などは常に一定です。
しかし混合物は、いくつかの純物資が含まれているため、性質が一定になりません。
例えば、純物質である水は0℃で凍り、100℃で沸騰します。これに対し混合物である食塩水は、その融点や沸点が一定になりません。
水に食塩が溶けた食塩水は、0℃より低い温度で凍り、100℃より高い温度で沸騰します。また、水にどれだけの量の食塩を溶かしたかで、食塩水が凍る温度や沸騰する温度は変わります。
水とエタノールの混合物の沸点
純物質である水とエタノールをそれぞれビーカーに入れ、加熱するとどうなるでしょうか。その大まかなモデルをグラフで示します。
室温が20℃として、20℃の水を加熱していくと100℃まで温度は上昇します。水の温度が100℃に達すると、100℃を保ったまま水は沸騰して水蒸気になっていきます。

エタノールも同様に加熱してみましょう。20℃のエタノールを加熱すると、78℃でエタノールの温度は一定となります。
エタノールの沸点は78℃なので、78℃でエタノールは沸騰します。エタノールは78℃を保ったまま、液体のエタノールが気体のエタノールになっていきます。

それでは、水とエタノールを混ぜた混合物を加熱するとどうなるでしょうか。
純物質である水とエタノールは、沸点が一定でした。しかし混ぜ合わせた混合物は、沸点が一定となりません。

水とエタノールを混合する比率によってグラフの形は変わりますが、エタノールは温度が78℃で一定となったままで沸騰するはずが、そうなりません。
混合物なので、78℃からダラダラと温度が上昇しながら、エタノールは沸騰して気体になっています。
このように水とエタノールの混合物は、沸点がはっきりしなくなります。
銅とスズの混合物の密度
液体だけでなく、固体の純物質と混合物でも同じことがいえます。
例えば、金属の銅は純物質であり、その密度は決まっています。金属のスズも純物質であり、密度は一定です。
しかしこれらの金属の混合物であるブロンズは、密度が一定ではありません。銅やスズの混合の比率によって、密度は変わります。
また、純物質である銅やスズは融点が決まっていますが、その混合物であるブロンズは融点が一定とはいえません。
まとめると、水やエタノール、銅やスズといった純物資では、沸点・融点・密度などの性質が一定の値をとります。
しかしそれらを混ぜた混合物では、沸点・融点・密度などの性質が一定に決まらなくなります。
つまり、融点や沸点、密度といった性質を調べることで、純物質と混合物を見分けることができます。
問題演習
確認テスト1
次にあげる物質が純物質と混合物のどちらに当てはまるか、考えてみましょう。
- 空気
- 二酸化炭素
- ヘリウムガス
- 塩化ナトリウム
- ダイヤモンド
- ジュラルミン
- 銀
- ドライアイス
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- 混合物 空気には、窒素や酸素、アルゴン、二酸化炭素といった純物資の気体が含まれています。
- 純物質 二酸化炭素は CO2 で表される純物質です。
- 純物質 ヘリウムガスは、ヘリウムという物質だけでできているので純物質です。
- 純物質 塩化ナトリウム NaCl は単一の物質でできているので、純物質です。
- 純物資 ダイヤモンドは炭素だけでできています。
- 混合物 ジュラルミンは、アルミニウムに銅やマグネシウムが混ざっているので混合物です。
- 純物資 銀には物質として銀だけが含まれるので純物質です。
- 純物質 ドライアイスは二酸化炭素だけでできています。ただ一つの物質でできているので純物質です。
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確認テスト2
以下の1~7で、物質として沸点が常に一定なものを選びましょう。
- 海水
- 蒸留水
- 牛乳
- エタノール
- 塩酸
- 石油
- 食用酢
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解答 2 4
物質として沸点が常に一定になるのは、純物質です。混合物にはさまざまな物質が混ざっており、その混合する割合も変わるので、沸点は一定になりません。
ですから、答えは純物資である2と4です。
- 混合物 海水には、水、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムといった純物資が含まれています。
- 純物質 蒸留水は水 H2O だけでできているので純物質です。
- 混合物 牛乳には水、タンパク質、カルシウムやカリウム、ビタミンなど多くの物質が含まれています。
- 純物資 エタノールはエタノールという単一の物質だけでできているので、純物質です。
- 混合物 塩酸には、水と塩化水素 HCl という2つの純物質が含まれているので、混合物です。
- 混合物 石油には、軽油や灯油、ガソリン、石油ガスの原料になるようなさまざまな種類の物質が混じっているので、混合物です。
- 混合物 食用の酢には、水や酢酸などが含まれるので、混合物です。
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実践問題1(2015追第1問問1)
純物質であるものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
① 石油 ② オリーブ油 ③ セメント
④ 炭酸水 ⑤ 空気 ⑥ ドライアイス
(2015年度センター試験 追試験 化学基礎 第1問 問1 より引用)
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正解 6
純物質はただひとつの物質から成る、純粋な物質です。純物質が複数混ざっている混合物を、選択肢から除きます。
1 × 石油には、重油・軽油・灯油・ガソリン・石油ガスなどの原料となるさまざまな有機化合物が含まれます。石油はこれらの混合物です。
2 × オリーブ油は、複数の植物油の成分が含まれる混合物です。オレイン酸やリノール酸、リノレン酸などが成分として含まれています。
3 × セメントは、酸化カルシウムや二酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどを含む混合物です。
4 × 炭酸水は、水に二酸化炭素を溶かした液体です。水も二酸化炭素も純物質です。炭酸水は、水と二酸化炭素の混合物です。
5 × 空気の成分比は、約 78 %が窒素、約 21 %が酸素、1 %未満がアルゴン、二酸化炭素、ネオンなどとなっています。多くの純物質が含まれるので混合物です。
6 〇 ドライアイスは、二酸化炭素が固体の状態となっているものです。二酸化炭素だけでできているので、ドライアイスは純物質です。なお、ドライアイスは昇華性があります。
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実践問題2(2017追第1問問1)
純物質として最も適当なものを、次の①~⑦のうちから一つ選べ。
① 海水 ② 食酢 ③ 塩酸 ④ コンクリート
⑤ グルコース ⑥ 青銅 ⑦ 銑鉄(せんてつ)
(2017年度センター試験 追試験 化学基礎 第1問 問1 より引用)
[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]正解 5
1 × 海水には水 H2O 、塩化ナトリウム NaCl 、塩化マグネシウム MgCl2 など複数の純物質が含まれています。多くの純物質が混ざっているので、海水は混合物です。
2 × 食酢は純物質である水 H2O 、酢酸 CH3COOH などが含まれた混合物です。
3 × 塩酸は純物質である水 H2O 、塩化水素 HCl が含まれた混合物です。
4 × コンクリートはカルシウム Ca 、ケイ素 Si 、アルミニウム Al など、さまざまな物質が含まれた混合物です。
5 〇 グルコースは、グルコースというただひとつの物質から成ります。
グルコースは、分子式が C6H12O6 である純物質です。純物質 1 種類からなる物質なので、これは純物質です。
6 × 青銅は銅 Cu 、スズ Sn などが含まれる合金です。複数の純物質が含まれるので、これは混合物です。
7 × 銑鉄は鉄 Fe 、炭素 C などが含まれた混合物です。
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