酸化剤と還元剤(2)

[su_box title=”ポイント” box_color=”#0044cc”]

過酸化水素 H2O2 と二酸化硫黄 SO2 は、酸化剤にも還元剤にもなります。

これらの酸化還元反応式を学びます。

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過酸化水素 H2O2 は、通常は酸化剤としてはたらきます。しかし反応の相手が、過マンガン酸カリウムや二クロム酸カリウムのような強い酸化剤の場合は、還元剤になります

同様に、二酸化硫黄 SO2 は、通常は還元剤としてはたらきます。しかし反応の相手が、硫化水素のような強い還元剤の場合は、酸化剤になります

H2O2 の酸化還元反応

H2O2 が酸化剤の場合

H2O2 は普通は酸化剤です。酸化剤としてはたらくときの半反応式は、

H2O2 + 2 H+ + 2 e → 2 H2O

です。

練習として、これと還元剤のヨウ化カリウムの反応を考えましょう。過酸化水素水に硫酸を加えて、酸性条件下で反応させます。

ヨウ化カリウムの半反応式は、

2 I → I2 + 2 e

となります。

この 2 つの半反応式から電子 e を消去します。ここでは 2 つの半反応式を足し合わせればよいので、

H2O2 + 2 H+ + 2 I → 2 H2O + I2  ‥‥(*)

となります。

この例では、過酸化水素水とヨウ化カリウム水溶液を混合しています。そのためこの水溶液には、ほかに K+ と SO42- が存在しています。

(*)の式を電気的に中性にします。左辺に 2 個の K+ と 1 個の SO42- を書き加えるとよいので、両辺に加えます。

H2O2 + H2SO4 + 2 KI → 2 H2O + I2 + K2SO4

こうして上のように酸化還元反応式(酸化剤:H2O2、還元剤:KI )は完成しました。

H2O2が還元剤の場合

H2O2 が還元剤となるのは、相手が過マンガン酸カリウムのような強い酸化剤の場合です。

H2O2 が還元剤としてはたらくときの半反応式は、

H2O2 → O2 + 2 H+ + 2 e

です。

H2O2 が還元剤としてはたらくときの酸化還元反応式は、前の項目「酸化還元反応式」の確認テスト 1 で学習しました。そちらを参照してください。

SO2 の酸化還元反応

SO2 が酸化剤の場合

SO2 は普通は還元剤としてはたらきます。しかし、硫化水素 H2S のような強い還元剤と反応するときは、酸化剤になります。

SO2 が酸化剤になる場合の半反応式は、

SO2 + 4 H+ + 4 e → S + 2 H2O  ‥‥(A)

です。

例として、還元剤の H2S と反応するときの酸化還元反応式を考えましょう。

H2S の半反応式は、以下の通りです。

H2S → S + 2 H+ + 2 e  ‥‥(B)

(B)の両辺を 2 倍して、(A)と足し合わせると、電子 e が式から消去できます。

SO2 + 4 H+ + 2 H2S → S + 2 H2O + 2 S + 4 H+

この式を整理すると

SO2 + 2 H2S → 3 S + 2 H2O

この状態で化学反応式としては完成したので、求める酸化還元反応式(酸化剤:SO2、還元剤:H2S )ができました。

SO2 が還元剤の場合

SO2 は普通は還元剤としてはたらきます。SO2 が還元剤としてはたらくときの半反応式は、次の通りです。

SO2 + 2 H2O → SO42- + 4 H+ + 2 e  ‥‥(C)

例として、酸化剤の過マンガン酸カリウム KMnO4 と反応する場合を考えます。

過マンガン酸カリウムの半反応式は、次の通りです。

MnO4 + 8 H+ + 5 e → Mn2+ + 4 H2O  ‥‥(D)

2 つの半反応式から、電子 e を消します。そのためには、(C)を 5 倍、(D)を 2 倍して、2 つの式を足し合わせます。

(C) × 5   5 SO2 + 10 H2O → 5 SO42- + 20 H+ + 10 e

(D) × 2   2 MnO4 + 16 H+ + 10 e → 2 Mn2+ + 8 H2O

足し合わせた式は次の通りです。

5 SO2 + 2 H2O + 2 MnO4 → 5 SO42- + 4 H+ + 2 Mn2+

この実験している水溶液には、ほかに K+ が含まれています。左辺に 2 個の K+ を書き加えると、電気的に中性となります。

そこで両辺に 2 個の K+ を加えます。

5 SO2 + 2 H2O + 2 KMnO4 → 5 SO42- + 4 H+ + 2 Mn2+ + 2 K+

右辺を整理すると

5 SO2 + 2 H2O + 2 KMnO4 → 2 H2SO4 + 2 MnSO4 + K2SO4

このように、酸化還元反応式(酸化剤:KMnO4、還元剤:SO2 )が完成しました。

問題演習

実践問題1(2020追第2問問6)

次に示す反応のうち、下線を付した化合物が還元剤としてはたらいているものはどれか。すべてを正しく選択しているものを、下の①~⑦のうちから一つ選べ。

 過酸化水素水に硫化水素水(硫化水素水溶液)を混合すると、水溶液が白濁する。

 硫酸で酸性にした過酸化水素水にヨウ化カリウム水溶液を少しずつ加えると、溶液が褐色になる。

 二酸化炭素を金属マグネシウムと反応させると、黒色の炭素が生じる。

① ア   ② イ   ③ ウ   ④ ア、イ

⑤ ア、ウ   ⑥ イ、ウ   ⑦ ア、イ、ウ

(2020年度センター試験 追試験 化学基礎 第2問問6 より引用)

[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]

正解 2

過酸化水素は酸化剤として作用しています。

半反応式は次の通りです。

H2O2 + 2 H+ + 2 e → 2 H2O

H2S → S + 2 H+ + 2 e

これらの 2 式を加えてできる反応式は

H2O2 + H2S → S + 2 H2O

となります。このとき水溶液中で生成した S のために白濁します。

イ 

ヨウ化カリウムは還元剤として作用しています。

半反応式は次の通りです。

H2O2 + 2 H+ + 2 e → 2 H2O

2 I → I2 + 2 e

これらの 2 式を加えてできるイオン反応式は

H2O2 + 2 H+ + 2 I  →  2 H2O + I2

両辺に 2 K+ と SO42- を加えて式を整理すると

H2O2 + H2SO4 + 2 KI → I2 + 2 H2O + K2SO4

となります。

このとき水溶液中で生成したヨウ素 I2 とヨウ化物イオン I から、三ヨウ化物イオン I3 が生じます。

この三ヨウ化物イオンにより、水溶液の色が褐色となります。

二酸化炭素は酸化剤として作用しています。

二酸化炭素分子のなかの炭素原子が還元されて単体となることで、黒色の炭素が生成します。

CO2 + 2 Mg → C + 2 MgO

二酸化炭素はマグネシウムに酸素を与えています。このとき CO2 の炭素原子の酸化数は +4 から 0 へ変化しています。

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酸化還元反応式

[su_box title=”ポイント” box_color=”#0044cc”]

酸化還元反応式をつくるには、酸化の半反応式と還元の半反応式を組み合わせます。

酸化還元反応式のつくり方

① 酸化と還元の半反応式を書く。

② 2 つの半反応式で受け渡す電子の数を合わせて、式から消去する。

③ 水溶液中にあるイオンを化学反応式に書き加えて、反応式を電気的に中性にする。

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酸化還元反応式

酸化還元反応において化学反応式をつくるとき、酸化反応の半反応式と還元反応の半反応式を組み合わせます。

酸化と還元は電子の受け渡しのことです。酸化反応で電子を失い、還元反応で電子を受け取ります。

酸化と還元は一組として同時に起こるので、酸化反応で失う電子の数と、還元反応で受け取る電子の数は等しいです。

したがって、酸化の半反応式で失う電子の数と、還元の半反応式で受け取る電子の数をつり合わせれば、この 2 つの半反応式を 1 つにまとめることができます

この 1 つにまとめた式が、つくりたい化学反応式の骨格になります。この式ができれば、酸化還元反応の化学反応式は、あと一歩で完成です。

あとは正しい化学反応式になるように、両辺を整えます。

化学反応式では、電荷をもつイオン式ではなく電気的に中性な化学式で表したいので、イオン式の物質を電気的に中性になるようにします

酸化還元反応には関与しないが、水溶液中に存在しているイオンがあります。これらを反応式に形式的に書き加えることで、イオン式を化学式に書き換えます。

この手直しをすると、酸化還元反応の化学反応式は完成です。

半反応式のまとめ

前の項目で半反応式の書き方を学びました。ここで半反応式をまとめておきます。

酸化還元反応式のつくり方

酸化還元反応式のつくり方は、以下のように大きく 3 つの作業に分かれます。

① 酸化と還元の半反応式を書く。

② 2 つの半反応式で受け渡す電子の数を合わせて、式から消去する。

③ 水溶液中にあるイオンを化学反応式に書き加えて、反応式を電気的に中性にする。

酸化還元反応式をつくる例として、過マンガン酸カリウム KMnO4 とヨウ化カリウム KI の反応を考えます。

過マンガン酸カリウムが酸化剤で、ヨウ化カリウムが還元剤です。またこの水溶液には硫酸が含まれており、酸性の条件下で行います。

① 半反応式を書く

酸化還元反応式をつくるため、まず酸化の半反応式と還元の半反応式を書きます。上で半反応式をまとめてあります。

過マンガン酸カリウムとヨウ化カリウムの半反応式を書きます。

MnO4 + 8 H+ + 5 e → Mn2+ + 4 H2O

2 I → I2 + 2 e

過マンガン酸カリウムもヨウ化カリウムも、半反応式の段階では反応に関わるイオンだけ書かれています。( MnO4 と I

② 電子 e を消去する

酸化と還元の反応は表と裏の関係です。酸化が起これば、その裏で必ず還元が起こっています。

そのため酸化で失われる電子 e の数と、還元で得られる電子 e の数は等しいです。

そこで、2 つの半反応式で受け渡される電子の数を揃えて、2 つの式を足し合わせ e を消去します。

MnO4 の半反応式を 2 倍、I の半反応式を 5 倍して、この 2 式を足し合わせます。

2 MnO4 + 16 H+ + 10 e → 2 Mn2+ +  8 H2O

10 I → 5 I2 + 10 e

左辺と右辺から 10 e が消えるので、

2 MnO4 + 16 H+ + 10 I → 2 Mn2+ +  8 H2O + 5 I2

これで化学反応式の骨格ができました。

③ イオンを電気的に中性にする

②でできた式を、形式的に整えます。イオン式から電気的に中性な化学式にしていきます。

酸化還元反応には関与しないものの、水溶液中に存在しているイオンがあります。これらを書き加えることで、イオン式を電気的に中性な化学式に書き換えます。

ここで例として考えている水溶液には、硫酸 H2SO4 と過マンガン酸カリウム KMnO4 とヨウ化カリウム KI が含まれています。

②で作った式

2 MnO4 + 16 H+ + 10 I → 2 Mn2+ +  8 H2O + 5 I2

で書かれていないが、水溶液中に含まれるイオンは、SO42- と K+ です。

そこで SO42- と K+ を式に加えて、電荷を中性にします。

左辺の『 2 MnO4 + 16 H+ + 10 I 』を電気的に中性にするために、K+ は 12 個、SO42- は 8 個必要です。

K+ を 12 個、SO42- を 8 個左辺に加えると、『 2 KMnO4 + 8 H2SO4 + 10 KI 』になります。

右辺にも K+ を 12 個、SO42- を 8 個加えないと、両辺はつり合いません。

右辺の『 2 Mn2+ +  8 H2O + 5 I2 』に K+ を 12 個、SO42- を 8 個加えると、

『 2 MnSO4 +  8 H2O + 5 I2 + 6 K2SO4 』になります。

これで両辺の電荷はそれぞれ中性になり、酸化還元反応式が完成しました。

2 KMnO4 + 8 H2SO4 + 10 KI → 2 MnSO4 +  8 H2O + 5 I2 + 6 K2SO4

問題演習

確認テスト1

硫酸で酸性にした過マンガン酸カリウム水溶液を、過酸化水素水に加えたときの酸化還元反応式を書きましょう。

[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]

過マンガン酸カリウムの化学式は KMnO4 で、過酸化水素の化学式は H2O2 です。

① まず半反応式を書きます。

過マンガン酸カリウムは酸化剤で、この半反応式は次の通りです。

MnO4 + 8 H+ + 5 e → Mn2+ +  4 H2O  ‥‥(A)

過酸化水素はここでは還元剤としてはたらき、半反応式は次の通りです。

H2O2 → O2 + 2 H+ + 2 e  ‥‥(B)

② 電子を消します。

電子の e を消去するため、(A)を 2 倍、(B)を 5 倍して両辺を足し合わせます。

2 MnO4 + 16 H+ + 10 e → 2 Mn2+ +  8 H2O

5 H2O2 → 5 O2 + 10 H+ + 10 e

この 2 式を足して e を消すと

2 MnO4 + 16 H+ + 5 H2O2 → 2 Mn2+ +  8 H2O + 5 O2 + 10 H+

さらに両辺から 10H+ を引くと

2 MnO4 + 6 H+ + 5 H2O2 → 2 Mn2+ +  8 H2O + 5 O2  ‥‥(C)

③ 反応式を電気的に中性にします。

実験では、硫酸で酸性にした過マンガン酸カリウム水溶液に、過酸化水素水を加えています。

(C)で書かれていないものの、水溶液中にあるイオンは SO42- と K+ です。SO42- と K+ を書き加えて、イオン式の電荷を中性にします。

両辺に 2 個の K+ と 3 個の SO42- を加えるとイオンが消えます。

実際に(C)に加えると、

2 KMnO4 + 3 H2SO4 + 5 H2O2 → 2 MnSO4 +  8 H2O + 5 O2 + K2SO4

となり、酸化還元反応式が完成します。

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実践問題1(2017本第2問問6)

MnO4 は、中性または塩基性水溶液中では酸化剤としてはたらき、次の反応式のように、ある 2 価の金属イオン M2+ を酸化することができる。

MnO4 + a H2O + b e  →  MnO2 + 2 a OH

M2+  →  M3+ + e

これらの反応式から電子 e を消去すると、反応全体は次のように表される。

MnO4 + c M2+ + a H2O  →  MnO2 + c M3+ + 2 a OH

これらの反応式の係数 b と c の組合せとして正しいものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。 

(2017年度センター試験 本試験 化学基礎 第2問問6 より引用)

[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]

正解 6

MnO4 は、中性または塩基性水溶液中で酸化剤としてはたらきます。

このとき、MnO4 の Mn 原子の酸化数は +7 で、MnO2 の Mn 原子の酸化数は +4 です。

反応後に酸化数は 3 減っているので、 Mn 原子が 1 個あたり電子を 3 個受け取り、還元されていることがわかります。

Mn 原子 1 個あたり電子を 3 個受け取るので、b = 3 となります。

そこで Mn の半反応式は

MnO4 + a H2O + 3 e  →  MnO2 + 2 a OH

となります。

この半反応式の酸素原子の数を、両辺で合わせます。

4 + a × 1 = 2 + 2a × 1

これを解くと a = 2 です。

よって半反応式は

MnO4 + 2 H2O + 3 e  →  MnO2 + 4 OH‥‥(A)

電子を消去するためには、金属 M2+ の半反応式を 3 倍して

3 M2+  →  3 M3+ + 3 e‥‥(B)

とします。

(A)(B)両式を足し合わせれば

MnO4 + 3 M2+ + 2 H2O  →  MnO2 + 3 M3+ + 4 OH

となり、⑥と解答できます。

(参考)

なお本問のように、過マンガン酸カリウムは中性・塩基性の条件下でも酸化剤として用いられます。

これまでの学習では、過マンガン酸カリウム水溶液は、硫酸を加えることにより酸性条件としていました。

酸性条件下での過マンガン酸カリウムの半反応式は

MnO4 + 8 H+ + 5 e  →  Mn2+ + 4 H2O

と表されます。

これに対し、中性・塩基性条件下で過マンガン酸カリウムを酸化剤として用いたときの半反応式は、

MnO4 + 2 H2O + 3 e  →  MnO2 + 4 OH

となります。

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半反応式

[su_box title=”ポイント” box_color=”#0044cc”]

酸化剤・還元剤と、それらが反応後に変化する物質を覚えます。それをもとに、半反応式を書きます。

半反応式は、両辺の電荷と原子数をそろえると完成します。

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半反応式

前の項目で酸化剤と還元剤について学びました。何が酸化剤・還元剤で、反応後にどのような物質に変化するのかを覚えました。

次に学ぶのは、半反応式です。

半反応式とは、酸化剤が相手を酸化させるためにする反応や、還元剤が相手を還元させるためにする反応を表した式です。

酸化と還元は表裏一体の関係です。酸化された物質があるなら、それに対応して還元された物質が存在しています。

しかし酸化還元反応をすぐに書くのは難しいので、酸化還元反応の化学反応式を組み立てる準備として、ひとまず酸化の反応と還元の反応を別々に書きます。

これらの式は酸化還元の半分なので、半反応式といいます。

半反応式の目標は、反応前後の左辺と右辺で、電荷をつり合わせることと、各原子の数を等しくすることです。

半反応式の書き方

半反応式は、酸化剤(還元剤)と、それがどう変化するかを覚えていると書けます。書き方の手順は、

① 酸化剤(還元剤)を左辺に、変化した物質を右辺に書く。

② 酸化数の変化の分だけ、電子 e を移動させる。

③ 両辺の電荷をつり合わせるため、水素イオン H+ を加える。

④ 各原子の数を等しくするため、水 H2O を加える。

です。

例1.希硝酸

では、希硝酸 HNO3 が酸化剤としてはたらき、NO が発生する半反応式を書きましょう。

① 酸化剤 HNO3 は左辺、変化して生成する NO が右辺です。

HNO3 → NO

② HNO3 の窒素原子 N の酸化数は +5 です。NO の窒素原子 N の酸化数は +2 なので、酸化数は 3 減少しました。

酸化数が 3 減少したということは、電子を 3 個受け取り、還元されたということです。そこで左辺に電子を 3 個加えます。

HNO3 + 3 e → NO

③ 左辺の電荷の和は -3 で、右辺の電荷の和は 0 (中性)です。両辺の電荷をつり合わせるため、左辺に H+ を 3 個加えます。

HNO3 + 3 H+ + 3 e → NO

④ 左辺と右辺の原子の数を比べると、左辺の方が水素原子 H が 4 個、酸素原子 O が 2 個多いことがわかります。

両辺の各原子の数を等しくするため、右辺に H2O を 2 個加えます。

HNO3 + 3 H+ + 3 e → NO + 2 H2O

これで希硝酸 HNO3 の半反応式が完成しました。

例2.塩素

塩素 Cl2 が酸化剤としてはたらき、塩化物イオン Cl が生成する半反応式を書きましょう。

① 酸化剤の塩素 Cl2 は左辺に、発生する Cl は右辺に書きます。

Cl2 → 2 Cl

左辺に塩素原子が 2 個あるので、原子の数がつり合うように、はじめから右辺の塩化物イオンも 2 個にしておきます。

② 左辺の Cl の酸化数は 0 で、右辺の Cl の酸化数は -1 です。

Cl 1 個あたり、酸化数が 1 減少しているので、電子を 1 個受け取って還元されています。Cl が 2 個あるので、左辺に電子を 2 個加えます。

Cl2 + 2 e → 2 Cl

③ 左辺の電荷の和は -2 で、右辺の電荷の和は -2 です。つり合っているので、H+ は加えません。

④ 左辺と右辺で原子の数は等しくなっています。そこでこのまま、半反応式が完成しました。

Cl2 + 2 e → 2 Cl

例3.硫化水素

硫化水素 H2S が還元剤としてはたらき、S が発生する半反応式を書きましょう。

① 還元剤 H2S は左辺、変化して生成する S が右辺です。

H2S → S

② H2S の硫黄原子 S の酸化数は -2 です。右辺の硫黄の単体 S の酸化数は 0 なので、酸化数は 2 増加しました。

酸化数が 2 増加したということは、電子を 2 個失い、酸化されたということです。電子が 2 個放出されたので、右辺に電子を 2 個書きます。

H2S → S + 2 e

③ 左辺の電荷の和は 0 で、右辺の電荷の和は -2 です。両辺の電荷をつり合わせるため、右辺に H+ を 2 個加えます。

H2S → S + 2 H+ + 2 e

④ 左辺と右辺の各原子の数を比べると、すでに等しいです。そこで、硫化水素 H2S の半反応式が完成しました。

H2S → S + 2 H+ + 2 e

例4.過マンガン酸カリウム

過マンガン酸カリウム KMnO4 が酸化剤としてはたらき、Mn2+ が生成する半反応式を書きましょう。

① 酸化剤の過マンガン酸カリウム KMnO4 は左辺に、発生する Mn2+ は右辺に書きます。K は反応に関与しないので省略します。

MnO4 → Mn2+

② 左辺の Mn の酸化数は +7 で、右辺の Mn の酸化数は +2 です。

酸化数が 5 減少しているので、電子を 5 個受け取って還元されています。左辺に電子を 5 個加えます。

MnO4 + 5 e → Mn2+

③ 左辺の電荷の和は -6 で、右辺の電荷の和は +2 です。両辺の電荷をつり合わせるため、左辺に H+ を 8 個加えます。

MnO4 + 8 H+ + 5 e → Mn2+

④ 左辺と右辺の原子の数を比べると、左辺の方が水素原子 H が 8 個、酸素原子 O が 4 個多いことがわかります。

両辺の各原子の数を等しくするため、右辺に H2O を 4 個加えます。

MnO4 + 8 H+ + 5 e → Mn2+ + 4 H2O

これで過マンガン酸カリウム KMnO4 の半反応式が完成しました。

例5.過酸化水素(還元剤)

過酸化水素 H2O2 が還元剤としてはたらき、O2 が発生する半反応式を書きましょう。

① 還元剤 H2O2 は左辺、変化して生成する O2 が右辺です。

H2O2 → O2

② H2O2 の酸素原子 O の酸化数は -1 です。右辺の酸素 O の酸化数は 0 なので、酸化数は 1 増加しました。

酸化数が 1 増加したということは、電子を 1 個失い、酸化されたということです。

過酸化水素 H2O2 には酸素原子 O が 2 個あります。電子が 2 個放出されたので、右辺に電子を 2 個書きます。

H2O2 → O2 + 2 e

③ 左辺の電荷の和は 0 で、右辺の電荷の和は -2 です。両辺の電荷をつり合わせるため、右辺に H+ を 2 個加えます。

H2O2 → O2 + 2 H+ + 2 e

④ 左辺と右辺の各原子の数を比べると、すでに等しいです。そこで、過酸化水素 H2O2 (還元剤)の半反応式が完成しました。

H2O2 → O2 + 2 H+ + 2 e

半反応式の書き方(その2)

本質的な違いはありませんが、半反応式には別の書き方もあります。

① 酸化剤(還元剤)を左辺に、変化した物質を右辺に書く。

② 両辺の酸素原子 O の数を等しくするため、水 H2O を加える。

③ 両辺の水素原子 H の数を等しくするため、水素イオン H+ を加える。

④ 両辺の電荷をつり合わせるため、電子 e を加える。

以下の例は練習のために、その2の書き方で行います。

例6.酸素

酸素 O2 が酸化剤としてはたらき、H2O が発生する半反応式を書きましょう。

① 酸化剤の O2 は左辺、変化して生成する H2O が右辺です。

O2 → H2O

② 両辺の酸素原子 O の数を等しくするため、右辺に H2O を加えます。

O2 → H2O + H2O

つまり O2 → 2 H2O

③ 両辺の水素原子 H の数を等しくするため、左辺に H+ を 4 個加えます。

O2 + 4 H+ → 2 H2O

④ 両辺の電荷をつり合わせるため、左辺に電子 e を 4 個加えます。

O2 + 4 H+ + 4 e → 2 H2O

これで酸素の半反応式は完成しました。

例7.ナトリウム

ナトリウム Na が還元剤としてはたらき、Na+ が発生する半反応式を書きましょう。

① 還元剤のナトリウム Na は左辺、変化して生成する Na+ が右辺です。

Na → Na+

② 両辺の酸素原子 O の数を比べますが、すでに等しいです。

Na → Na+

③ 両辺の水素原子 H の数を比べますが、すでに等しいです。

Na → Na+

④ 両辺の電荷をつり合わせるため、右辺に電子 e を 1 個加えます。

Na → Na+ + e

これでナトリウムの半反応式は完成しました。

例8.オゾン

オゾン O3 が酸化剤としてはたらき、O2 と H2O が発生する半反応式を書きましょう。

① 酸化剤のオゾン O3 は左辺、変化して生成する O2 と H2O が右辺です。

O3 → O2 + H2O

② 両辺の酸素原子 O の数を比べますが、すでに等しいです。

O3 → O2 + H2O

③ 両辺の水素原子 H の数を等しくするため、左辺に H+ を 2 個加えます。

O3 + 2 H+ → O2 + H2O

④ 両辺の電荷をつり合わせるため、左辺に電子 e を 2 個加えます。

O3 + 2 H+ + 2 e → O2 + H2O

これでオゾンの半反応式は完成しました。

例9.ヨウ化物イオン

ヨウ化物イオン I が還元剤としてはたらき、I2 が発生する半反応式を書きましょう。

(還元剤としてヨウ化カリウム KI が使われることがありますが、K は反応に関与しないので I として考えます。)

① 還元剤のヨウ化物イオン I は左辺、変化して生成する I2 が右辺です。ヨウ素 I2 のヨウ素原子は 2 個なので、原子の数を合わせるため、左辺のヨウ化物イオンは 2 個とします。

2 I → I2

② 両辺の酸素原子 O の数を比べますが、すでに等しいです。

2 I → I2

③ 両辺の水素原子 H の数を比べますが、すでに等しいです。

2 I → I2

④ 両辺の電荷をつり合わせるため、右辺に電子 e を 2 個加えます。

2 I → I2 + 2 e

これでヨウ化物イオンの半反応式は完成しました。

例10.水素

水素 H2 が還元剤としてはたらき、H+ が発生する半反応式を書きましょう。

① 還元剤の水素 H2 は左辺、変化して生成する H+ が右辺です。水素 H2 の水素原子は 2 個なので、原子の数を合わせるため、右辺の水素イオンは 2 個とします。

H2 → 2 H+

② 両辺の酸素原子 O の数を比べますが、すでに等しいです。

H2 → 2 H+

③ 両辺の水素原子 H の数を比べますが、すでに等しいです。

H2 → 2 H+

④ 両辺の電荷をつり合わせるため、右辺に電子 e を 2 個加えます。

H2 → 2 H+ + 2 e

これで水素の半反応式は完成しました。

問題演習

確認テスト1

次の酸化剤・還元剤の半反応式を書いてみましょう。

  1. 鉄(Ⅱ)イオン Fe2+
  2. 濃硝酸 HNO3
  3. スズ(Ⅱ)イオン Sn2+
  4. 熱濃硫酸 H2SO4
  5. シュウ酸 (COOH)2
  6. 酸化マンガン(Ⅳ) MnO2
  7. 二クロム酸カリウム K2Cr2O7
  8. 過酸化水素 H2O2 (酸化剤として)
  9. 二酸化硫黄 SO2 (酸化剤として)
  10. 二酸化硫黄 SO2 (還元剤として)

[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]

1.~5.は半反応式の書き方に従って、6.~10.は半反応式の書き方(その2)に従って解説します。

1.

鉄(Ⅱ)イオン Fe2+ が還元剤としてはたらき、Fe3+ が発生する半反応式を書きましょう。

① 還元剤 Fe2+ は左辺、変化して生成する Fe3+ が右辺です。

Fe2+ → Fe3+

② Fe2+ の鉄原子 Fe の酸化数は +2 です。右辺の鉄原子 Fe の酸化数は +3 なので、酸化数は 1 増加しました。

酸化数が 1 増加したということは、電子を 1 個失い、酸化されたということです。電子が 1 個放出されたので、右辺に電子を 1 個書きます。

Fe2+ → Fe3+ + e

③ 左辺の電荷の和は +2 で、右辺の電荷の和は +2 です。そのままで電荷はつり合っています。

Fe2+ → Fe3+ + e

④ 左辺と右辺の各原子の数を比べると、すでに等しいです。そこで、鉄(Ⅱ)イオン Fe2+ の半反応式が完成しました。

Fe2+ → Fe3+ + e

2.

濃硝酸 HNO3 が酸化剤としてはたらき、NO2 が発生する半反応式を書きましょう。

① 酸化剤 HNO3 は左辺、変化して生成する NO2 が右辺です。

HNO3 → NO2

② HNO3 の窒素原子 N の酸化数は +5 です。NO2 の窒素原子 N の酸化数は +4 なので、酸化数は 1 減少しました。

酸化数が 1 減少したということは、電子を 1 個受け取り、還元されたということです。そこで左辺に電子を 1 個加えます。

HNO3 + e → NO2

③ 左辺の電荷の和は -1 で、右辺の電荷の和は 0 (中性)です。両辺の電荷をつり合わせるため、左辺に H+ を 1 個加えます。

HNO3 + H+ + e → NO2

④ 左辺と右辺の原子の数を比べると、左辺の方が水素原子 H が 2 個、酸素原子 O が 1 個多いことがわかります。

両辺の各原子の数を等しくするため、右辺に H2O を 1 個加えます。

HNO3 + H+ + e → NO2 + H2O

これで濃硝酸 HNO3 の半反応式が完成しました。

3.

スズ(Ⅱ)イオン Sn2+ が還元剤としてはたらき、Sn4+ が発生する半反応式を書きましょう。

① 還元剤 Sn2+ は左辺、変化して生成する Sn4+ が右辺です。

Sn2+ → Sn4+

② Sn2+ のスズ原子 Sn の酸化数は +2 です。右辺のスズ原子 Sn の酸化数は +4 なので、酸化数は 2 増加しました。

酸化数が 2 増加したということは、電子を 2 個失い、酸化されたということです。電子が 2 個放出されたので、右辺に電子を 2 個書きます。

Sn2+ → Sn4+ + 2 e

③ 左辺の電荷の和は +2 で、右辺の電荷の和は +2 です。そのままで電荷はつり合っています。

Sn2+ → Sn4+ + 2 e

④ 左辺と右辺の各原子の数を比べると、すでに等しいです。そこで、スズ(Ⅱ)イオン Sn2+ の半反応式が完成しました。

Sn2+ → Sn4+ + 2 e

4.

熱濃硫酸 H2SO4 が酸化剤としてはたらき、SO2 が発生する半反応式を書きましょう。

① 酸化剤 H2SO4 は左辺、変化して生成する SO2 が右辺です。

H2SO4 → SO2

② H2SO4 の硫黄原子 S の酸化数は +6 です。SO2 の硫黄原子 S の酸化数は +4 なので、酸化数は 2 減少しました。

酸化数が 2 減少したということは、電子を 2 個受け取り、還元されたということです。そこで左辺に電子を 2 個加えます。

H2SO4 + 2 e → SO2

③ 左辺の電荷の和は -2 で、右辺の電荷の和は 0 (中性)です。両辺の電荷をつり合わせるため、左辺に H+ を 2 個加えます。

H2SO4 + 2 H+ + 2 e → SO2

④ 左辺と右辺の原子の数を比べると、左辺の方が水素原子 H が 4 個、酸素原子 O が 2 個多いことがわかります。

両辺の各原子の数を等しくするため、右辺に H2O を 2 個加えます。

H2SO4 + 2 H+ + 2 e → SO2 + 2 H2O

これで熱濃硫酸 H2SO4 の半反応式が完成しました。

5.

シュウ酸 (COOH)2 が還元剤としてはたらき、CO2 が発生する半反応式を書きましょう。

(シュウ酸は H2C2O4 と書いてもよいです。)

① 還元剤 (COOH)2 は左辺、変化して生成する CO2 が右辺です。

このとき、左辺のシュウ酸には炭素原子が 2 個含まれているので、右辺も炭素原子が 2 個になるように、CO2 を 2 個にしておきます。

(COOH)2 → 2 CO2

② (COOH)2 の炭素原子 C の酸化数は +3 です。右辺の炭素原子 C の酸化数は +4 なので、酸化数は 1 増加しました。

酸化数が 1 増加したということは、電子を 1 個失い、酸化されたということです。

シュウ酸 (COOH)2 には炭素原子 C が 2 個あります。電子が 2 個放出されたので、右辺に電子を 2 個書きます。

(COOH)2 → 2 CO2 + 2 e

③ 左辺の電荷の和は 0 で、右辺の電荷の和は -2 です。両辺の電荷をつり合わせるため、右辺に H+ を 2 個加えます。

(COOH)2 → 2 CO2 + 2 H+ + 2 e

④ 左辺と右辺の各原子の数を比べると、すでに等しいです。そこで、シュウ酸 (COOH)2 の半反応式が完成しました。

(COOH)2 → 2 CO2 + 2 H+ + 2 e

6.

酸化マンガン(Ⅳ) MnO2 が酸化剤としてはたらき、Mn2+ が発生する半反応式を書きましょう。

① 酸化マンガン(Ⅳ) MnO2 は左辺、変化して生成する Mn2+ が右辺です。

MnO2 → Mn2+

② 両辺の酸素原子 O の数を等しくするため、右辺に H2O を 2 個加えます。

MnO2 → Mn2+ + 2 H2O

③ 両辺の水素原子 H の数を等しくするため、左辺に H+ を 4 個加えます。

MnO2 + 4 H+ → Mn2+ + 2 H2O

④ 両辺の電荷をつり合わせるため、左辺に電子 e を 2 個加えます。

MnO2 + 4 H+ + 2 e → Mn2+ + 2 H2O

これで酸化マンガン(Ⅳ) MnO2 の半反応式は完成しました。

7.

二クロム酸カリウム K2Cr2O7 が酸化剤としてはたらき、Cr3+ が発生する半反応式を書きましょう。

① 二クロム酸カリウム K2Cr2O7 は左辺、変化して生成する Cr3+ が右辺です。

左辺の二クロム酸カリウム K2Cr2O7 にはクロム原子が 2 個あるので、クロム原子の数がつり合うように右辺の Cr3+ は 2 個にしておきます。

K は反応に関与しないので省略して、Cr2O72- だけ書きます。

Cr2O72- → 2 Cr3+

② 両辺の酸素原子 O の数を等しくするため、右辺に H2O を 7 個加えます。

Cr2O72- → 2 Cr3+ + 7 H2O

③ 両辺の水素原子 H の数を等しくするため、左辺に H+ を 14 個加えます。

Cr2O72- + 14 H+ → 2 Cr3+ + 7 H2O

④ 左辺の電荷の和は +12 で、右辺の電荷の和は +6 です。両辺の電荷をつり合わせるため、左辺に電子 e を 6 個加えます。

Cr2O72- + 14 H+ + 6 e → 2 Cr3+ + 7 H2O

これで二クロム酸カリウム K2Cr2O7 の半反応式は完成しました。

8.

過酸化水素 H2O2 が酸化剤としてはたらき、H2O が発生する半反応式を書きましょう。

① 過酸化水素 H2O2 は左辺、変化して生成する H2O が右辺です。

H2O2 → H2O

② 両辺の酸素原子 O の数を等しくするため、右辺に H2O を 1 個加えます。

H2O2 → 2 H2O

③ 両辺の水素原子 H の数を等しくするため、左辺に H+ を 2 個加えます。

H2O2 + 2 H+ → 2 H2O

④ 両辺の電荷をつり合わせるため、左辺に電子 e を 2 個加えます。

H2O2 + 2 H+ + 2 e → 2 H2O

これで過酸化水素 H2O2 (酸化剤)の半反応式は完成しました。

9.

二酸化硫黄 SO2 が酸化剤としてはたらき、S が発生する半反応式を書きましょう。

① 過酸化水素 SO2 は左辺、変化して生成する S が右辺です。

SO2 → S

② 両辺の酸素原子 O の数を等しくするため、右辺に H2O を 2 個加えます。

SO2 → S + 2 H2O

③ 両辺の水素原子 H の数を等しくするため、左辺に H+ を 4 個加えます。

SO2 + 4 H+ → S + 2 H2O

④ 両辺の電荷をつり合わせるため、左辺に電子 e を 4 個加えます。

SO2 + 4 H+ + 4 e → S + 2 H2O

これで二酸化硫黄 SO2 (酸化剤)の半反応式は完成しました。

10.

二酸化硫黄 SO2 が還元剤としてはたらき、SO42- が発生する半反応式を書きましょう。

① 還元剤の二酸化硫黄 SO2 は左辺、変化して生成する SO42- が右辺です。

SO2 → SO42-

② 両辺の酸素原子 O の数を等しくするため、左辺に H2O を 2 個加えます。

SO2 + 2 H2O → SO42-

③ 両辺の水素原子 H の数を等しくするため、右辺に H+ を 4 個加えます。

SO2 + 2 H2O → SO42- + 4 H+

④ 両辺の電荷をつり合わせるため、右辺に電子 e を 2 個加えます。

SO2 + 2 H2O → SO42- + 4 H+ + 2 e

これで二酸化硫黄 SO2 (還元剤)の半反応式は完成しました。

[/su_spoiler][/su_accordion]

酸化剤と還元剤(1)

[su_box title=”ポイント” box_color=”#0044cc”]

酸化還元反応において、相手を酸化させる物質のことを酸化剤といいます。このとき、酸化剤自体は還元されます。

また、相手を還元させる物質のことを還元剤といいます。相手を還元させると、還元剤自体は酸化されます。

酸化剤・還元剤がどう変化するかは、覚える必要があります。

[/su_box]

酸化剤・還元剤

酸化還元反応において、相手を酸化させる物質のことを酸化剤といいます。また、相手を還元させる物質のことを還元剤といいます

酸化・還元は電子の授受のことなので、酸化剤や還元剤を使うと、電子のやり取りが発生します。

酸化剤の特徴

酸化剤は相手を酸化させます。つまり、相手から電子を受け取ります(奪います)。相手から電子をもらうので、酸化剤自身は還元されます。

酸化剤が反応したときの特徴は、

  • 相手を酸化させる
  • 相手は電子を失い、酸化数が増加する
  • 酸化剤自身は電子を受け取るので還元される
  • 酸化剤の酸化数は減少する

となります。

還元剤の特徴

還元剤は相手を還元させます。つまり、相手に電子を与えます。相手に電子を渡すので、還元剤自身は電子を失い酸化されます。

還元剤が反応したときの特徴は、

  • 相手を還元させる
  • 相手は電子を受け取り、酸化数が減少する
  • 還元剤自身は電子を失うので酸化される
  • 還元剤の酸化数は増加する

となります。

代表的な酸化剤

酸化剤や還元剤を学ぶ理由は、最終的に酸化還元反応の化学反応式を書けるようになるためです。

いきなり酸化還元反応の化学反応式を書くのは難しいので、酸化剤や還元剤がどう反応するかをもとにして、式を組み立てていきます。

順序のとおりに進めばできますが、どうしても出発点の酸化剤と還元剤の反応については覚えなければなりません

はじめからすべてを覚えるのは無理ですが、記憶できるように繰り返し練習しましょう。

代表的な酸化剤が、水溶液中で反応してどう変化するか表に示します。

酸化剤反応
酸素 O2O2 ⇒ H2O
オゾン O3O3 ⇒ O2 + H2O
塩素 Cl2Cl2 ⇒ 2 Cl
希硝酸 HNO3HNO3 ⇒ NO
濃硝酸 HNO3HNO3 ⇒ NO2
熱濃硫酸 H2SO4H2SO4 ⇒ SO2
酸化マンガン(Ⅳ) MnO2MnO2 ⇒ Mn2+
過マンガン酸カリウム KMnO4 (注1)MnO4 ⇒ Mn2+
二クロム酸カリウム K2Cr2O7 (注2)Cr2O72- ⇒ 2 Cr3+

(注1:酸性の水溶液で起こる反応です。また K は酸化還元反応に関与しないので、省略しています。)

(注2:K は酸化還元反応に関与しないので、省略しています。)

例えば、酸素 O2 が酸化剤としてはたらいたら、反応後は水 H2O になるのだな、と覚えておきます

同様に、塩素 Cl2 が酸化剤としてはたらくと反応後は塩化物イオン Cl になる希硝酸 HNO3 が酸化剤としてはたらくと反応後は一酸化窒素 NO になる、などと覚えます

代表的な還元剤

代表的な還元剤を表にまとめました。

還元剤反応
ナトリウム NaNa ⇒ Na+
ヨウ化物イオン 2 I2 I ⇒ I2
水素 H2H2 ⇒ 2 H+
鉄(Ⅱ)イオン Fe2+Fe2+ ⇒ Fe3+
スズ(Ⅱ)イオン Sn2+Sn2+ ⇒ Sn4+
シュウ酸 (COOH)2(COOH)2 ⇒ 2 CO2
硫化水素 H2SH2S ⇒ S

例えば、ヨウ化物イオン I が還元剤としてはたらくと、反応後にヨウ素 I2 となります。

同様に、硫化水素 H2S が還元剤としてはたらくと、反応後に硫黄 S の単体になるのだな、などと覚えておきます

酸化剤にも還元剤にもなる物質

代表的な酸化剤と還元剤を覚えたら終わり、だといいのですが、少し例外があります。酸化剤としても還元剤としてもはたらく物質があります。

二酸化硫黄 SO2過酸化水素 H2O2 は、酸化剤・還元剤どちらにもなります。

これらは反応する相手によって、酸化剤になったり還元剤になったりします。

二酸化硫黄 SO2

二酸化硫黄が酸化剤としてはたらくときは、反応後に硫黄 S の単体になります。(酸化剤のとき SO2 ⇒ S

二酸化硫黄が還元剤としてはたらくときは、反応後に硫酸イオン SO42- になります。(還元剤のとき SO2 ⇒ SO42-

過酸化水素 H2O2

過酸化水素が酸化剤としてはたらくときは、反応後に水 H2O になります。(酸化剤のとき H2O2 ⇒ H2O

過酸化水素が還元剤としてはたらくときは、反応後に酸素 O2 になります。(還元剤のとき H2O2 ⇒ O2

問題演習

確認テスト1

次の空欄に当てはまる適切な語句を考えましょう。

酸化剤とは、反応の相手を酸化させて自身は( A 酸化・還元 )される物質です。また還元剤とは、反応の相手を( B 酸化・還元 )させて自身は( C 酸化・還元 )される物質です。

塩素、オゾン、硝酸、熱濃硫酸、過マンガン酸カリウムなどは( D 酸化・還元 )剤として使われます。

酸化還元反応後、塩素は( E )に、希硝酸は( F )に、濃硝酸は( G )に、熱濃硫酸は( H )に変化します。

また、酸性溶液中で過マンガン酸カリウムは( I )に、二クロム酸カリウムは( J )に変化します。

ナトリウムなどの金属の単体、ヨウ化物イオン、鉄(Ⅱ)イオン、スズ(Ⅱ)イオン、硫化水素などは( K 酸化・還元 )剤として使われます。

酸化還元反応後、ヨウ化物イオンは( L )に、鉄(Ⅱ)イオンは( M )に、硫化水素は( N )に変化します。

酸化剤にも還元剤にもなる物質として、過酸化水素や二酸化硫黄があります。

過酸化水素が酸化剤としてはたらくと( O )に、還元剤としてはたらくと( P )に変化します。

二酸化硫黄が酸化剤としてはたらくと( Q )に、還元剤としてはたらくと( R )に変化します。

[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]

A:還元   B:還元   C:酸化   D:酸化   E:Cl

F:NO   G:NO2   H:SO2   I:Mn2+   J:Cr3+

K:還元   L:I2   M:Fe3+   N:S   O:H2O

P:O2   Q:S   R:SO42-

[/su_spoiler][/su_accordion]

実践問題1(2018追第2問問6)

酸化還元反応に関する記述として誤りを含むものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

① 酸化還元反応では、必ず酸素原子または水素原子が関与する。

② オゾンは、酸化剤としてはたらく。

③ シュウ酸は、還元剤としてはたらく。

④ 二酸化硫黄は、反応する相手によって酸化剤としても還元剤としてもはたらく。

(2018年度センター試験 追試験 化学基礎 第2問問6 より引用)

[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]

正解 1

1 × 電子の授受だけでも酸化還元反応は起こります。

例えばヨウ化カリウムと塩素の反応では、酸素原子も水素原子も存在しませんが、酸化還元反応が起きています。

2 KI + Cl2 → 2 KCl + I2

I は酸化され、酸化数は -1 から 0 と変わります。

Cl は還元され、酸化数は 0 から -1 へと変わります。

2 〇 O3 + 2 H+ + 2 e  →  O2 + H2O

オゾン O3 は酸化剤としてはたらくと、O2 と H2O に変化します。

オゾンは酸化剤としてはたらいたとき、反応後の H2O 酸素原子の酸化数は 0 から -2 と変化します。(単体の O2 の酸素原子は酸化数 0 のままです。)

3 〇 C2H2O4  →  2 CO2 + 2 H+ + 2 e

あるいは (COOH)2  →  2 CO2 + 2 H+ + 2 e

シュウ酸 C2H2O4 は還元剤としてはたらくと、CO2 に変化します。

シュウ酸は還元剤としてはたらいたとき、炭素原子の酸化数は +3 から +4 と変化します。

4 〇 二酸化硫黄 SO2 の硫黄原子の酸化数は +4 です。

酸化剤としてはたらく場合は、酸化数 0 の S に還元されます。

SO2 + 4 e + 4 H+  →  S + 2 H2O

還元剤としてはたらく場合は、酸化数 +6 の SO42- に酸化されます。

SO2 + 2 H2O  →  SO42- + 2 e + 4 H+

[/su_spoiler][/su_accordion]

酸化数

[su_box title=”ポイント” box_color=”#0044cc”]

物質が変化するとき、酸化や還元の反応がわかりやすいように、酸化数という値を考えます。

酸化還元反応は電子の受け渡しのことなので、酸化数は原子がもつ電子の数から決めます。

① 単体の原子は酸化数が 0 です。

② 化合物中の水素原子 H の酸化数は +1 、酸素原子 O の酸化数は -2 とします。

③ 化合物を構成する各原子の酸化数の総和は 0 です。

④ 単原子のイオンの酸化数は、イオンの価数と等しいです。

⑤ 多原子イオンでは、各原子の酸化数の総和と、多原子イオンの電荷が等しいです。

⑥ その他、いくつか重要な原子の酸化数があります。

化学反応のあと、酸化数が増えた物質は酸化されています。酸化数が減った物質は還元されています。

[/su_box]

酸化数

物質が変化するとき、酸化や還元の反応がわかりやすいように、酸化数という値を考えます。

酸化数は、いくつかのルールから簡単に求められます。その酸化数の変化を見ることで、酸化還元反応を知ることができます。

酸化数のルール

酸化は物質が電子を失うこと、還元は物質が電子を受け取ることです。つまり酸化と還元の反応は電子の受け渡しのことなので、原子がもつ電子の数の変化から、酸化数を考えます

まず、単体の原子は電気的に中性なので、酸化数はゼロとします。(①)

化合物中の水素原子 H の酸化数は +1 、酸素原子 O の酸化数は -2 とします。(②)

次に、化合物全体の酸化数もゼロとします。(③)

原子が酸化されて電子を失うと、陽イオンとなります。そこで電子を失った数である陽イオンの価数を、プラスの酸化数とします。

逆に還元されて電子を受け取ると、陰イオンになります。そこで陰イオンの価数を、マイナスの酸化数とします。(④)

多原子イオンでは、各原子の酸化数の総和と、多原子イオンの電荷が等しいとします。(⑤)

そのほか、いくつかの重要な原子の酸化数を覚えましょう。(⑥)

それでは、具体的にルールを確認しましょう。

① 単体の原子は酸化数 0

単体の原子は電気的に中性なので、電子を受け取ったり失ったりした状態ではありません。そこで酸化数はゼロとします。

例えば、単体である水素分子 H2 を構成する水素原子 H の酸化数は 0 です。

同様に、窒素分子 N2 のなかの窒素原子 N の酸化数は 0 、酸素分子 O2 のなかの酸素原子 O の酸化数は 0 、金属の単体であるマグネシウム Mg のマグネシウム原子 Mg の酸化数は 0 、鉄 Fe の鉄原子 Fe の酸化数は 0 など、すべてゼロです。

② 化合物中の水素原子 H の酸化数は +1 で、酸素原子 O の酸化数は -2

化合物を構成している水素原子 H の酸化数は +1 とします。また、化合物を構成している酸素原子 O の酸化数は -2 とします。

例えば水分子 H2O ならば、H の酸化数は +1 、O の酸化数は -2 です。

他の化合物でも同じなので、硝酸 HNO3 のなかの水素原子 H の酸化数は +1 、酸素原子 O の酸化数は -2 です。

二酸化硫黄 SO2 のなかの酸素原子 O の酸化数は -2 です。

アンモニア NH3 のなかの水素原子 H の酸化数は +1 です。

③ 化合物全体の酸化数は 0

化合物を構成しているすべての原子の酸化数を加えたとき、その総和はゼロとします。

例えば、水分子 H2O 全体の酸化数は 0 です。

それでは、各原子の酸化数の総和を確認します。

水素原子の酸化数は +1 で、分子中に水素原子は 2 個あります。酸素原子の酸化数は -2 なので、これらの総和は

(+1) × 2 + (-2) = 0

となり、ルールどおりに水分子 H2O 全体で酸化数はゼロでした。

②と③のルールを使えば、化合物中の原子の酸化数を計算できます。

硝酸 HNO3 のなかの窒素原子 N の酸化数を求めます。

HNO3 全体では酸化数の総和は 0 です。酸化数 +1 の水素原子が 1 個、酸化数 -2 の酸素原子が 3 個含まれているので、窒素原子の酸化数を N とすると、

+1 + N + (-2) × 3 = 0

と表されます。

N = +5 なので、窒素原子 N の酸化数は +5 です。

二酸化硫黄 SO2 の硫黄原子 S の酸化数を求めます。

SO2 全体では酸化数の総和は 0 です。酸化数 -2 の酸素原子が 2 個含まれているので、硫黄原子の酸化数を S とすると、

S + (-2) × 2 = 0

と表されます。

S = +4 なので、硫黄原子 S の酸化数は +4 です。

アンモニア NH3 のなかの窒素原子 N の酸化数を求めます。

NH3 全体では酸化数の総和は 0 です。酸化数 +1 の水素原子が 3 個含まれているので、窒素原子の酸化数を N とすると、

N + (+1) × 3 = 0

と表されます。

N = -3 なので、窒素原子 N の酸化数は -3 です。

④ 単原子のイオンの酸化数は、イオンの価数と等しい

原子が酸化されて電子を失うと、陽イオンとなります。そこで電子を失った数である陽イオンの価数を、プラスの酸化数とします。

例えばナトリウムイオン Na+ は、1 個の電子を失って 1 価の陽イオンになっているので、この Na の酸化数は +1 です。

同様にマグネシウムイオン Mg2+ は 2 価の陽イオンなので、この Mg の酸化数は +2 です。

還元されて電子を受け取ると、陰イオンになります。そこで陰イオンの価数を、マイナスの酸化数とします。

例えば、塩化物イオン Cl は 1 個の電子を受け取って 1 価の陰イオンになっているので、この Cl の酸化数は -1 です。

同様に硫化物イオン S2- は 2 価の陰イオンなので、この S の酸化数は -2 です。

⑤ 多原子イオンでは、酸化数の総和とイオンの電荷が等しい

多原子イオンでは、イオンを構成する各原子の酸化数の総和が、イオンの電荷と等しくなります

例えばアンモニウムイオン NH4+ では、イオンの電荷が +1 なので、各原子の酸化数の総和は +1 となります。

このとき水素原子 H の酸化数は +1 ですから、残った窒素原子 N の酸化数 N は次のように計算できます。

N + (+1) × 4 = +1

これを解くと N = -3 なので、N の酸化数は -3 です。

硫酸イオン SO42- では、イオンの電荷が -2 なので、各原子の酸化数の総和は -2 となります。

このとき酸素原子 O の酸化数は -2 ですから、残った硫黄原子 S の酸化数 S は次のように計算できます。

S + (-2) × 4 = -2

これを解くと S = +6 なので、S の酸化数は +6 です。

⑥ 重要な原子の酸化数

①~⑤のルールで酸化数はほぼ計算できますが、その他によく使う重要な原子の酸化数を覚えましょう。

ルールの例外でありながら、よく使われる化合物に過酸化水素 H2O2 があります。H2O2 の酸素原子 O の酸化数は、-1 です。-2 ではありません。

また一般に、アルカリ金属の原子の酸化数は +1アルカリ土類金属(2 族元素)の原子の酸化数は +2 となります。

化合物中に含まれる場合、ナトリウム Na やカリウム K の酸化数は +1 、カルシウム Ca の酸化数は +2 と考えるとよいでしょう。

酸化数の変化と酸化還元反応

物質の酸化数の変化から、化学反応の前後で酸化や還元が起こったことがわかります。

化学反応のあとで物質の酸化数が増加した場合、その物質は電子が失われているので、酸化されています

逆に物質の酸化数が減少した場合、その物質は電子を受け取っているので、還元されています

酸化銅(Ⅱ) CuO を高温で水素 H2 と反応させると、銅 Cu と水 H2O が生成します。

CuO + H2 → Cu + H2O

ここで Cu 原子に注目すると、反応前の CuO では酸化数は +2 でした。反応後は単体の Cu となり、酸化数は 0 です。

酸化数の変化は +2 から 0 へと減少しているので、Cu は還元されたことがわかります。

一方 H 原子に注目すると、反応前は単体 H2 で酸化数は 0 です。反応後は H2O となり、酸化数は +1 となっています。

酸化数は 0 から +1 へと増加しているので、H は酸化されたことがわかります。

硫化水素 H2S の水溶液に酸素 O2 を吹き込むと、硫黄 S と水 H2O が生成します。

2 H2S + O2 → 2 S + 2H2O

ここで S 原子に注目すると、反応前の H2S では酸化数は -2 でした。反応後は単体の S となり、酸化数は 0 です。

酸化数の変化は -2 から 0 へと増加しているので、S は酸化されたことがわかります。

一方 O 原子に注目すると、反応前は単体 O2 で酸化数は 0 です。反応後は H2O となり、酸化数は -2 となっています。

酸化数は 0 から -2 へと減少しているので、O は還元されたことがわかります。

問題演習

確認テスト1

次の化合物について、赤太字の原子の酸化数を考えましょう。

  1. N2
  2. H2O
  3. NH3
  4. SO42-
  5. HNO3
  6. H2O2
  7. MnO4
  8. KMnO4
  9. K2Cr2O7

[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]

  1. 0
  2. -2
  3. -3
  4. +6
  5. +5
  6. -1
  7. +7
  8. +7 カリウム K の酸化数は +1 と考えます。
  9. +6 カリウム K の酸化数は +1 と考えます。

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確認テスト2

次の化学反応式で、Cu 原子と C 原子の酸化数の変化を調べ、物質の酸化還元反応を考えましょう。

2 CuO + C → 2 Cu + CO2

[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]

Cu は酸化数が +2 から 0 へと減少しているので、還元されたことがわかります。

C は酸化数が 0 から +4 へと増加しているので、酸化されたことがわかります。

したがってこの反応で、酸化銅(Ⅱ) CuO は還元され、炭素 C は酸化されています。

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実践問題1(2019追第2問問6)

下線を付した原子の酸化数を比べたとき、酸化数が最も大きいものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

① HClO4    ② H3PO4    ③ KNO3    ④ Na2SO4

(2019年度センター試験 追試験 化学基礎 第2問問6 より引用)

[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]

正解 1

酸化数は、化合物内の水素原子が +1 、酸素原子が -2 となるのが基本です。アルカリ金属の原子は +1 とします。

そのほか、

化合物を構成する各原子の酸化数の総和はゼロになる

イオンとなった原子の電荷とその原子の酸化数は等しい

多原子イオンの電荷とイオンを構成する各原子の酸化数の総和は等しい

といった原則があります。

1 酸化数は H = +1 、 O = -2 、 HClO4 は全体で酸化数が 0 です。

これより

(+1) + Cl + (-2) × 4 = 0

となります。

したがって Cl の酸化数は、Cl = +7

2 酸化数は H = +1 、 O = -2 、 H3PO4 = 0 です。

1 と同様に計算すると、P の酸化数は、P = +5

3 酸化数は K = +1 、 O = -2 、 KNO3 = 0 です。

これより N の酸化数は、N = +5

4 酸化数は Na = +1 、 O = -2 、 Na2SO4 = 0 です。

これより S の酸化数は、S = +6

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実践問題2(2016追第2問問6)

下線を付した原子の酸化数を比べたとき、酸化数が最も大きいものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。

① SO2    ② H2S    ③ NO2

④ HNO3    ⑤ N2    ⑥ NH3

(2016年度センター試験 追試験 化学基礎 第2問問6 より引用)

[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]

正解 4

1 SO2 全体の酸化数は 0 、O の酸化数は -2 なので、S 原子の酸化数は +4 です。

2 H2S 全体の酸化数は 0 、H の酸化数は +1 なので、S 原子の酸化数は -2 です。

3 NO2 全体の酸化数は 0 、O の酸化数は -2 なので、N 原子の酸化数は +4 です。

4 HNO3 全体の酸化数は 0 、H の酸化数は +1 、O の酸化数は -2 なので、N 原子の酸化数は +5 です。

5 N2 全体の酸化数は 0 なので、N 原子の酸化数は 0 です。(単体分子の原子の酸化数は 0 です。)

6 NH3 全体の酸化数は 0 、H の酸化数は +1 なので、N 原子の酸化数は -3 です。

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実践問題3(2015追第2問問4)

次のイオン()を、下線で示した原子の酸化数が大きい順に並べたものはどれか。最も適当なものを、下の①~⑥のうちから一つ選べ。

 NO3     CO32-     MnO4

① ア > イ > ウ    ② ア > ウ > イ    ③ イ > ア > ウ

④ イ > ウ > ア    ⑤ ウ > ア > イ    ⑥ ウ > イ > ア

(2015年度センター試験 追試験 化学基礎 第2問問4 より引用)

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正解 5

化合物中の酸素原子の酸化数は -2 です。また多原子イオン全体の酸化数は、イオン全体の電荷の値と等しいです。

多原子イオン全体の酸化数は、各原子の酸化数の総和となるので、これより下線で示した原子の酸化数をそれぞれ X として計算すると、

1 X + (-2) × 3 = -1 

X = +5

窒素原子の酸化数は +5

2 X + (-2) × 3 = -2

X = +4

炭素原子の酸化数は +4

3 X + (-2) × 4 = -1

X = +7

マンガン原子の酸化数は +7

となります。

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実践問題4(2015本第2問問6)

反応の前後で、下線を付した原子の酸化数が 3 減少した化学反応を、次の①~④のうちから一つ選べ。

(2015年度センター試験 本試験 化学基礎 第2問問6 より引用)

[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]

正解 1

酸化数は、化合物内の水素原子が +1 、酸素原子が -2 となるのが基本です。アルカリ金属の原子は +1 、アルカリ土類金属( 2 族元素)は +2 とします。

また、化合物全体の酸化数はゼロです。そして、化合物を構成する各原子の酸化数の総和は、ゼロとなります。

これらのルールより、それぞれの原子の酸化数を求めます。

1 HNO3 の酸化数は 0 、H の酸化数は +1 、O の酸化数は -2 であるので、

(+1) + N + (-2) × 3 = 0

これを計算すると、HNO3 内の窒素原子の酸化数は N = +5

NO の酸化数は 0 、O の酸化数は -2 なので、

NO 内の窒素原子の酸化数は N = +2

したがって、窒素原子の酸化数は +5 から +2 へ 3 減少しています。

2 H2O2 = 0 、H = +1 であり O = -1

O2 = 0 より O = 0

酸素原子の酸化数は -1 から 0 へ 1 増加しています。

3 化合物内の水素原子の酸化数は +1 なので H = +1

H2 = 0 より H = 0

水素原子の酸化数は +1 から 0 へ 1 減少しています。

4 CaCO3 = 0 、Ca = +2 、O = -2 より C = +4

CO2 = 0 、O = -2 より C = +4

炭素原子の酸化数は +4 で変わりません。

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実践問題5(2018本第2問問6)

次の反応のうち酸化還元反応はどれか。正しく選択しているものを、下の①~⑥のうちから一つ選べ。

① ア、ウ      ② イ、エ       ③ イ、オ

④ ア、ウ、エ    ⑤ ア、ウ、オ     ⑥ イ、エ、オ

(2018年度センター試験 本試験 化学基礎 第2問問6 より引用)

[su_accordion][su_spoiler title=”正解を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” anchor_in_url=”no” class=””]

正解 2

ア × 酢酸ナトリウム CH3COONa は、弱酸である酢酸 CH3COOH と強塩基である水酸化ナトリウム NaOH の塩です。(この塩を水に溶かすと、塩基性を示します。)

アの反応式は、弱酸の塩である CH3COONa と強酸である塩酸 HCl が反応して、弱酸の CH3COOH が遊離する反応です。

この反応では、酸化数に変化はありません。

イ 〇 一酸化炭素 CO が酸化される反応です。Cの酸化数が +2 → +4 となっています。

ウ × 金属の水酸化物 Cu(OH)2 と、強酸である硫酸 H2SO4 の反応です。

Cu(OH)2 は塩基なので、中和反応が起きて、水が生成します。

この反応では、どの原子も酸化数は変化しません。

エ 〇 マグネシウム原子が酸化され(酸化数 0 → +2)、水素原子が還元されています(酸化数 +1 → 0)。

それぞれの反応式は以下の通りです。

Mg → Mg2+ + 2e

2H2O + 2e → H2 + 2OH

このように電子の受け渡しがあります。

この 2 式を足し合わせれば、エの反応式になります。

オ × 弱塩基であるアンモニア NH3 と強酸である硝酸 HNO3 の中和反応です。酸化数に変化はありません。

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